B.MRSA感染
  (1)MRSAとは
     黄色ブドウ球菌は、各種皮膚化膿症・肺炎・敗血症・食中毒等を起こす病原菌として知られている。しかし本来弱毒菌で、
        健康保菌者も多く鼻腔・口腔・皮膚等に定着している。MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)は、ペニシリンをはじ
        めとする多くの抗菌剤に抵抗性を持ったの耐性株で、感染を起こすと治療が困難となる。現在、国内の分離黄色ブドウ球菌
        の60%以上がMRSAであると言われている。
     MRSA感染症に対する特効薬はバンコマシンであるが、2002年アメリカで、バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌が検出
        された。
 
 (2)感染経路
     接触感染が主体である。保菌者や感染した患者から、介護者の手指・医療器具・日用品等、色々なルートを介して伝播が
        起こる。MRSAによる肺炎等の呼吸器感染の患者からの「飛沫感染」はあり得るが「空気感染」はないとされている。

 (3)感染の発症
      肺炎、腸炎、敗血症、骨髄炎、心内膜炎、髄膜炎等を引き起こす。

 (4)感染予防対策(標準予防策、接触感染予防策、飛沫感染予防策)
     @ 入院時、退院時に、MRSA感染者・保菌者のチェックをする。
     A MRSA検出患者発生の報告
        院内感染対策委員会への報告
        患者・家族への説明
     B 感染者(A)と、感染源となり得る保菌者(B)、健常定着者(C)は区別する必要がある。
             以下は主としてA、Bに関して適応する。
     C 個室隔離を原則とする。やむを得ない場合は、Bは隔離はしなくてよい。しかし、感染を起こし易い状態の患者とは同
             室にしてはならない。重症感染者に対しては、速やかに転院を考える。 
     D ガウンテクニックを行う。手袋・マスク・プラスチックエプロン(ディスポ)等を使用する。
     E 介護・処置の前後、手洗い・うがいの励行。石鹸と流水(温水)で、20秒以上かけて手洗いを行い、ペーパータオル
             で拭き取る。手指の消毒は、トリゾンラブ等で30秒以上手指に擦り込む。
     F 処置、および清拭・オムツ交換等はディスポの手袋を着用し、使用後は直ちに捨てる。
     G 使用する機材・物品は適切な消毒をおこなう。
     H リネン・寝具は、使用後、ビニール袋に入れ密封しMRSAと明記し、所定の場所に置き、処理する。
     J 食器類は、一般の熱処理でよい。
     K ベットは通常の清拭、便器・尿器の消毒は、通常の消毒でよい。
     L 病室の清掃は、一般の掃除で良い。換気に努める。スリッパの履き替えは必要ない。
     M 入浴については、順番を最後とする。浴槽は洗剤と消毒液を用いて洗浄する。
        N 感染の可能性の無い定着者(C)については、病室は大部屋で行動はフリーでよい。ただし手洗い・うがいの励行を指
             導する。易感染性の患者との接触は避ける。
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