D.セラチア菌感染
 (1)セラチア菌とは

     セラチア菌は、腸内細菌科のグラム陰性桿菌で、その代表は Serratia marcescens である。環境常在菌で湿潤環境を好み、
        動物や人の腸管をはじめ、洗面所やキッチンなどの「水まわり」にも生息している。赤色からピンク色の色素を産生すること
        が多く、洗面台等に赤色のバイオフィルムを形成することがある。また食物に付着して増殖し、これを赤変することがある。
        一般の健常人は、感染し発病することは殆どないが、体力の落ちた人や抵抗力の弱い老人等は、日和見感染の危険性がある。

 (2)感染経路
     接触感染が主体である。保菌者や感染した患者から、介護者の手指・医療器具・日用品等色々なルートで伝播が起こる。病
        室の花瓶の水や洗面台などの「水まわり」が感染源になることがある。特に膀胱留置カテーテル・静脈カテーテル等のカテー
        テル類、輸液ボトル・輸液セット、経管栄養用ボトル・チューブ等から感染することが多いので、汚染の無い様、気をつけな
        ければならない。また、セラチア菌に効力の無い消毒液(塩化ベンザルコニウム・クロルヘキシジン・液体石鹸等)の中でも
        繁殖するので、注意する必要がある。

 (3)感染の発症
     創部感染、尿路感染、胃腸炎、腹膜炎、肺炎、肺化膿症、髄膜炎、敗血症等を引き起こす。

 (4)感染予防対策(標準予防策、接触感染予防策)
    @ 原則として隔離する。
    A 手洗いの励行
    B 使用する機材・物品は適切な消毒をおこなう。
    C 患者の部屋に入る時は手袋を着用する。部屋を出るときは手袋を外し、石鹸や消毒液で十分手洗いする。
    D 患者に接触処置を行うときや、患者が失禁状態・下痢・創部から廃液のある場合等には、部屋に入る前にガウンを着用し、
            部屋を出るとき脱ぐ。
    E 湿潤環境を好むので、洗面台等、清潔を保つ。
    F オムツ等は、感染性廃棄物として、処理する
    G 寝衣・リネン等は通常の洗濯、乾燥で良い。乾燥機を使用すればより良い。      
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